富裕層=お金持ちを指す言葉であることは分かりますが、どの程度が富裕層だとはっきりと言える方は少ないかと思います。公的な定義はなく、調査する会社によって基準は異なるため、綿密な決まりはありません。今回は一般的な定義をご紹介します。
1億円以上の資産を持っている人が「富裕層」
一般的に、1億円以上の資産を所有する人が富裕層にあたります。ちなみに5億円以上は超富裕層、5千万円以上1億円未満の資産を持つ人は準富裕層です。この数字を見ると、財産が5千万円以上あれば、お金持ちと謳えることになります。1億円以上の資産を持っている層は、経営者や投資家、もしくは年収1,000万円ほどの仕事に就いている人でしょう。ちなみに資産額が3千万円未満はマス層と呼ばれます。
ただし、評価基準において不動産を含めない場合があるため、調査を実施する団体によって数字が変動することを認識しておきましょう。
日本の富裕層は増加傾向にある
野村総研が行った調査によると、日本全国の世帯数が約5千万世帯であるなか、超富裕層は8.4万世帯、富裕層は118.3万世帯、準富裕層においては322.2万世帯であることが分かりました。結果として、日本の富裕層の割合は全体の約2%ほど。準富裕層を含めても8%ほどなので、お金持ちといえる人はさほど多くはありません。
とはいえ、富裕層は増加傾向にあります。野村総研が実施した統計によると、2000年では約77世帯だったのが、2017年では約118万世帯と上昇しています。5億円以上の金融資産を所有する超富裕層でさえも、6.6世帯から8.4世帯と増加していることに驚きです。
日本の貧困層について
富裕層が増加傾向にある反面、日本は貧困の格差が大きい国になりつつあります。2016年に実施されたユニセフの調査では、日本の相対的所得ギャップは、先進国の中で8位という結果となりました。貧困層の割合は2003年時点で14.9%でしたが、2011年で16.1%と増加の一途をたどっています。その状況の中、社会保障の削減と消費税の増加が行なわれているため、格差はさらに広がるかもしれません。
世界の富裕層の定義
アメリカの富裕層の基準は、資産100万ドルであることです。日本円にして約1億円にあたるので、アメリカも日本同様の富裕層の定義です。2019年、世界の資産保有上位10%に入る人の国を比較すると、最も多いのは中国人の1億人。ですが、富裕層の数自体は中国が440万人、一方アメリカは1,860万人と驚異的な数字です。そのため、アメリカには世界の富裕層の約40%が存在しています。